4月6日(火)に東灘区文化センターで宝塚文化研究会を実施しました。4月の研究会では「岡田敬二ロマンチック・レビュー『ル・ポァゾン』再演に寄せて」をテーマに、宝塚歌劇団演出家の岡田敬二先生を特別ゲストにお迎えして、岡田先生のレビュー作品について研究しました。

 この7月に宝塚歌劇団雪組の新トップコンビによる全国ツアー公演で「ル・ポァゾン」が再演されます。1990年に月組(大劇場公演)で初演され、2011年に星組(中日劇場公演)、花組(全国ツアー公演)と、再演を繰り返されてきた岡田先生の不朽の名作の魅力について、岡田先生ご本人による解説をお聞きできる貴重な機会となりました。

 岡田先生から、参加者全員に「みんなで見た事 聞いたことー岡田一家の物語」という先生のサイン入りの小冊子をプレゼントしていただきました。宝塚歌劇団の演出家としての先生のルーツを知ることができる可愛いイラスト入りの小冊子です。ご家族で映画館に見に行った映画作品が、戦後の困難な状況においても明るくたくましく生きる活力を与えてくれたことや、その思い出が岡田先生の宝塚歌劇の素晴らしいレビュー作品につながっていることがわかるエピソードの数々に心が動かされました。読み返す度にじんわりと心に染みるような温かい文章で書かれた「五つのえんどう豆」や「風と共に去りぬ」の素敵なエピソードにも胸が熱くなりました。

 岡田先生はレビューを作られる際には音楽を一番大切にされるというお話がありました。岡田先生のレビュー作品では、吉崎憲治先生の作曲による名曲の数々が印象的ですが、岡田先生と吉崎先生の深い絆によって、ロマンチック・レビュー作品シリーズが次々を誕生したことがわかりました。また、先生のロマンチック・レビューシリーズの中では異色のイメージのある「Asian Sunrise」と「Asian Winds」についてのお話もありました。レビューのルーツはフランスのムーランルージュやアメリカのMGMシアター・・・ということを認識しつつも、「21世紀はアジアの時代」ということを表現し、アジアの魅力を世界に発信するレビューを作りたいという先生の熱い想いから誕生したのが「Asian Sunrise」や「Asian Winds」であるというお話をお聞きしました。

 また、9月の星組公演で先生のロマンチック・レビュー作品「ネオ・ダンディズム!」が「モア―・ダンディズム!」というタイトルで再演されることについてもお話がありました。先生から参加者に「ダンディーな男性とはどんな男性をイメージしますか?」という質問があり、先生のイメージするダンディーな男性についてお話を聞くことができました。岡田先生ご自身も、素敵なお帽子やお洒落なスーツがトレードマークになっているとてもダンディーな方ですが、主演の礼真琴さんが岡田先生のレビューの中で、どのようなダンディーさを見せてくれるのか、どのような再演作になるのか楽しみになりました。

 岡田先生は、参加会員からの質問に時間の許す限り丁寧にお答え下さり、楽しい雰囲気の中、活発に質疑応答が行われました。

 今回、特別ゲストの岡田先生から貴重なエピソードの数々をお聞きすることができましたので、東京の会員の皆様や、参加できなかった会員の皆様のために、今回の研究会の講義録を作成し、メーリングリストで配信させていただく予定です。どうぞお楽しみに!

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