10月2日(日)に雪組大劇場公演「蒼穹の昴」の観劇会を実施しました。この日は15名の会員が参加し、初日の翌日の舞台を2階前方席から観劇しました。

この公演はお芝居だけの一本物の演目で、浅田次郎さんの中国の歴史超大作が原作です。雪組での上演が決まった時に全4巻の文庫本を読んで予習しましたが、この大作をどうやって舞台化するのか興味深々でした。また主な登場人物が宦官ということも気になって、あの時代の特殊な髪型の辮髪も男役さんに似合うのかな、と心配していましたが・・・。

幕が開いて、紫禁城の豪華なセットや宮廷の人たちの衣装が素晴らしく、清末期の華やかな中国の宮廷の世界や、その対極の貧しい農村の世界がリアルに表現された舞台装置も見事でした!主演の彩風咲奈さんの中国服の着こなしもかっこよくて、辮髪も宝塚風にお洒落にアレンジされていました。

特に目を引いたのは、宦官になって西太后に使える春児役の朝美絢さんの京劇のシーンでした。師匠の黒牡丹役の眞ノ宮るいさんと共に、朝美さんは難しそうな京劇の所作や動きを完璧に再現されていました。お二人の素晴らしい京劇の演舞に客席から大きな拍手が沸き起こっていました。朝美さんの、少年時代の春児のお芝居もとても可愛くて純粋でまっすぐでとても印象的でした。セリフも出番も多くて、実力派二番手の風格が感じられるようになった朝美さんの演技を、会員の皆さんは「素晴らしかった!」と称賛されていました。

この公演で退団される朝月希和さんは、貧しい農村出身の少女の役なので前半は汚れた衣装や乱れた髪型が気の毒でしたが、後半は美しい女性に成長して、最後には彩風さん演じる文秀と一緒に船出をするというラストシーンで終わって安心しました。最後の公演なのにセリフが出番が少なくてちょっと気の毒でしたが、フィナーレでのデュエットダンスやお衣装は素晴らしかったです!

観劇の後は、宝塚南口の「菓子工房HANA」さんの離れの素適なお部屋をお借りして、ル・マンのサンドイッチをいただきながら、会員同士の交流を深めました。日頃、会員同士が集まる機会がないので、「何組のファン?」「いつから宝塚ファンに?」「ファンになったきっかけは?」と、ヅカトークで盛り上がり、楽しいランチの時間を過ごしました。

会場は「菓子工房HANA」の離れを使わせていただいていますが、このお店は旧宝塚音楽学校すみれ寮のお向かいの場所にあります。この日は「菓子工房HANA」のオーナーの方も参加してくださって、お向かいのすみれ寮の住人だった宝塚の生徒さんたちや寮母さんたちとの思い出のエピソードを語ってくださいました。寮の屋上で生徒さん達と一緒に花火を見たり、前の道で生徒さんたちとドッジボールをしたり・・・と、かつてすみれ寮に住んでいた生徒さんたちは、近所の方々とのどかな交流をしていらっしゃったそうです。古き良き時代の宝塚歌劇団の様子を知ることができる貴重なエピソードをたくさん聞かせていただきました!

ランチの後は、理事の増田のぞみ先生による講演会を実施しました。この日、薮下先生が欠席となったため、急遽ピンチヒッターとして増田先生に講演をお願いし、増田先生が9月18日にあべのハルカスで司会をされた「SF原画展」での特別イベントの萩尾望都さんと小池修一郎さんの対談の様子を披露していただきました!

増田先生はパワーポイントのスライドを使って、萩尾望都先生と小池先生による「ポーの一族」への思い入れや宝塚への愛などのお話等、当日の対談の様子を詳しく説明してくださいました。宝塚版の「ポーの一族」で主役のエドガーを演じた明日海りおさんのファン(私も!)にとっては、原作者の萩尾先生と演出家の小池先生の対談でどんなお話があったのか、興味津々です。大変な人気のイベントで、申込者の4人に1人しか当日の入場券を手にすることができなかったとのこと。漫画ファンとともに宝塚ファンが応募に殺到したのでは・・・と思いました。入場困難だった貴重なイベントの様子を、司会役の増田先生から、様々なエピソードも含めて詳しくお聞きすることができたのは、オフィス・エトワール会員の特権です!時間が限られていたため、増田先生のお話を途中までしか聞くことができなかったので、また日をあらためて、先生の貴重なお話を聞く機会を設けたいと思っています。

次回の観劇会は、10月16日(日)の梅田芸術劇場メインシアターでの花組全国ツアー公演「フィレンツェに燃える」です。この日は観劇会の前に薮下先生による講演会を実施して、過去の作品の解説や今回の作品の見どころなどを説明していただく予定です。今から楽しみです!

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