10月16日に、花組全国ツアー公演「フィレンツェに燃える/Fashionable Empire」の観劇会を実施しました。

今回の観劇会では、観劇の前に薮下先生による講演解説の講演会を実施し、8名の会員の方にご参加いただきました。

今回の全国ツアー公演の上演作品「フィレンツエに燃える」は、今から47年前、真帆しぶきさんの退団公演のショー「ザ・スター!」の前物として、柴田先生が汀夏子さんと順みつきさんのために描き下ろした作品で、芸術選奨の新人賞を受賞した作品だったそうです。宝塚歌劇としては初めて芸術選奨を受賞した作品でしたが、その後一度も再演されたことがなく、幻の名作と言われてきた作品なのだそうです。

薮下先生から、47年前の初演の舞台の様子をお聞きして、先生の記憶力の鮮明さに会員一同驚くばかり・・。薮下先生のお話から、当時の舞台の様子がありありと目に浮かぶほど、当時の舞台の様子を詳しく語ってくださいました。

当時のパンフレットも見せていただき、参加者一同、薮下先生の解説を興味深くお聞きしました。柴田先生の作品は、「フィレンツェに燃える」「悲しみのコルドバ」、「バレンシアの熱い花」「情熱のバルセロナ」と、地名のついた作品シリーズがありますが、この「フィレンツェに燃える」が地名シリーズの最初の作品だったことや、当時「ベルサイユのばら」の作・演出家として人気が高かった植田先生と、柴田先生が人気を二分していた時代に、二人の人気演出家が切磋琢磨し合ったことによって、宝塚の作品が芸術的に素晴らしいクオリティーの作品として生み出されていくようになったというお話をお聞きしました。当時の劇団の作曲家の寺田先生は、お二人の演出家から作曲を依頼されると、それぞれの先生方の作品のテイストに合わせて、全く作風の違う曲を作り分けていた、というお話もあり、大変勉強になりました。

「フィレンツエに燃える」のお話は、主演の柚香光さん演じるアントニオと、二番手の水美舞斗さん演じるレオナルドの兄弟愛、魔性の女性パメラ(星風まどかさん)に対する二人兄弟の愛、それに、かつてのパメラの恋人だったオテロ(永久輝せあさん)のパメラへの執着心や復讐心に近い愛・・・といった様々な形の愛が絡んだ複雑な関係のストーリーが、イタリア統一運動という時代背景の中で展開されます。舞踏会やカーニバルのシーンや、貴族社会の女性達の豪華なお衣装など、全国ツアーらしい華やかさもちりばめられた作品でした。全国ツアーで初めて宝塚歌劇を見る方には、ちょっと暗くてわかりにくい作品だったように思いましたが、私たちのような古参の宝塚ファンにとっては、柴田先生のテイストがたくさん詰まっていて、見どころの多い作品でした。

ショーの「Fashionable Empire!」は大劇場版とは出演者が変わり、見どころが満載でした。若手の聖乃あすかさんや侑輝大弥さんの活躍が目立っていました。でもやっぱり一番目を引くのは、もちろん花組トップスターの柚香さん!柚香さんのダンスはとても素敵で、目が離せません!「フィレンツェに燃える」のお芝居では、柚香さんはノーブルで静かな貴族のお役で、お鬚をつけていて、いつもの柚香さんとはちょっと違うイメージのキャラクターでしたが、ショーでは一変して、激しく踊りまくってワイルドな魅力を振りまく柚香さんのかっこいいお姿を拝見することができました。いろいろなお顔を見せてくれるのが柚香さんの魅力ということを再認識しました。水美さんのダンスも素晴らしかったです。目がいくつあっても足りないぐらい、見どころ満載のショーでした。この日も2階席の1列目と2列目という見やすい良いお席を用意していただくことができて、会員の皆さんにも大満足していただき、とても楽しい観劇会となりました。

次回の観劇会は、月組全国ツアー公演の「ブラックジャック」です。全国ツアー公演が続きますので、日本各地で宝塚ファンが増えていくことを期待しています!コロナ禍で暗く沈んで元気がなくなっている日本が、タカラジェンヌのパワーで明るく元気になりますように!花組は大阪公演を終えてこれから日本各地を回りますが、コロナに負けずに、全ての日程を無事に完走できますようにお祈りしています。

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